私が初めて競馬場を訪れたときの思い出

思い起こせば、もう20年も前のことです。
当時よく遊んでいた友人が、アポもなくフラッと自宅にやってきました。
それ自体は特に珍しいことでもなかったので、私はいつものように彼を自宅へと招き入れます。
普段は二人で街をブラブラしたり、部屋でそのまま酒を飲んだりして楽しんでいるのですが、その日の友人は違うことを提案してきました。
「競馬場に行ってみない?」
私はテレビでは何度か中継を観たことがありましたが、生で競走馬が走っているのを見たことは一度もありませんでした。
少し突拍子もない提案にも思えましたが、同時にその提案は、私の興味を引くには十分なものでした。
そして車で片道一時間をかけて、競馬場へ向かいます。
運転は友人がやっていたのですが、彼は自分が好きな競走馬の話や競馬予想のコツなど途切れることなく道中ずっと続けていました。
私にとっては初めて聞く競走馬の名前も多く、最初は少し退屈な感じで聞いていましたが、友人の話をずっと聞いているうちに、どことなくワクワクするような感覚も覚え始めていました。
気分も最高潮に達したところで、私たちは目的地に到着します。
早速車を停めて入場したのですが、そのとき入場料の安さにすごく驚いたことを、今でもよく覚えています。
競馬場の中に入ると、そこはまるで別世界のようでした。
ちょうどレースが行われているタイミングだったのですが、地響きを鳴らしながら疾走する競走馬に、早速目を奪われたのです。
次のレースからは、馬券も買ってみることにしました。
友人に購入の仕方を教わりながら、初めての馬券を手にします。
金額は決して大きなものではありませんでしたが、馬券を買うことでその競走馬への思い入れも強まり、がんばって応援しようという気持ちになれることを知りました。
そしてパドックでその競走馬を見たときは、なぜかとても感動してしまったのです。
競馬はどうしてもギャンブルというイメージがあるかもしれません。
しかし、馬券で勝つ以外にも魅力があるということを、私は確かに肌で感じたのです。

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